C.キミと俺。
ついに朝が来てしまった。
もしかしたら朝起きてたら元に戻ってるかもなんて、期待してたけど無駄だったらしい。
とりあえず昨日出た結論は、『元に戻れるまで、お互いキャラを保つようにしよう』ってことになった。
要するに、今まで通り俺は柚木さんを、柚木さんは俺を演じるって感じ、なのか?←
ま、そう言うことだろう。
女の子みたいにって、どうすればいいんだろ。
とりあえず俺は、とてつもない違和感を感じるスカートを履いて、学校へと向かった。
..........つか、スカートみじかくね?←
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なんだか憂鬱な気持ちで俺が教室に入ると、近くで亮ちゃんと大ちゃんが楽しそうに話していた。
いつもの流れで俺は亮ちゃんの肩に右手を置いてにこっと笑顔を向けた。
「おはよー、亮ちゃ......」
と言い掛けて、俺は肩から手を放し、とっさに口を抑えた。
今、俺...柚木さんだった。
あまり絡みのない女子に馴れ馴れしくされたからか、亮ちゃんの表情はちょっとひきつっていた。
や、まあ当たり前だろうけど!
俺は笑って2人を誤魔化すと、柚木さんの席を探そうと教卓に歩み寄る。
....と、そのとき
----ガバッ
突然後ろからぎゅうっと抱きつかれて、一瞬身体が跳ね上がったけど、俺はあまり抵抗がなかった。
まあ、よくいろんな奴に抱きつかれてるし、←
「もー、何だよ.........」
いつも見たいに笑いながら振り向く、と同時に俺の額からは半端じゃないくらいの冷や汗が出てきた。
「りんちゃんおはよーぉぉ!」
そこにいたのは、満面の笑みを浮かべる琥陽さん。
とにかくいろいろこれはやばいと思.....いや、やばいだろっ!
「ちょ、や、やめろって...!」
「んー、なんで?」
「や、なんでって...」
お、落ち着け落ち着けっ!
俺は柚木さんなんだ、これは当たり前のことなんだ!
そう思いながらも、やっぱりそのままになんてできるわけもなく、全力で両手に力を入れて琥陽さんを突き放そうとするけど、なんだか力が入らない。
柚木さん、一体握力いくらなんですか?←
「変なりんちゃんー、でもなんか今日.....カッコいいね♪」
そう言い終えると琥陽さんは、俺から離れて1人ではしゃいでいた。
てか、いまカッコいいとか言ってなかったか?
.....や、でも柚木さんが元々カッコいいって言われてるならこんな気にする必要はないし、、
と、とにかく離れてもらえてよかった。
俺はふう、と一息ついて柚木さんの席に座った。
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